「ちょっと…」の続きは、全部埋めなくていい

言葉を途中で止めた相手は、何を断ったのでしょう。食事の勧めと大切な依頼を比べた教材を手掛かりに、創作の会話で省略と確認を考えます。日曜を提案する公開問題では断りの範囲を、席の予約の問題では次に必要な行動を読みます。翻訳にも、未確定の部分を残します。

執筆 KYOTOEIC公開日 更新日 3 分で読めます

AIが文章・翻訳・根拠を確認しました。独立した母語話者・専門家による監修は受けていません。

編集方針
目次

同じ土曜日についての二つの返事

次は比較のために作った会話です。一緒に展覧会に行こうと誘われた人が、こう答えます。

土曜はちょっと…。日曜なら空いています。

日曜日の提案があるので、土曜日は都合が悪いのだと読めます。展覧会が嫌だ、誘った人を避けている、とまで付け加えるのは難しいでしょう。言葉を止めても、次の文が断りの範囲を絞っています。

今度は、イベントの担当者が土曜日の受付を頼みました。返事はここで終わります。

土曜はちょっと…。

担当者は別の人を探すべきでしょうか。それとも条件を調整すべきでしょうか。この返事には、受付を引き受けられないという結論も、可能な代案も明示されていません。断りそうだと察することと、担当者の名簿を確定することは、別の作業です。

ぼかした言葉のあとに残る仕事

国立国語研究所の解説は、好意で勧められたものを断る場合と、大切なことを頼まれて断る場合を比べています。後者では意思が十分伝わらず相手に負担をかけることがあるため、明確に言うことも配慮になりうると説明しています。

同研究所のビデオ解説書には、食事を勧められて断る台本と、断りが伝わらないまま周囲が準備を進めた台本が出てきます。教育のために構成した場面です。実際の失敗談や、京都の住民の会話を録音した資料ではありません。

受付を頼んだ人に必要なのは、省かれた文を一字ずつ復元する力ではないでしょう。その日に担当できないのか、まだ返事を決められないのかを確認できれば役に立ちます。答える側も、引き受けられないなら、まずその結論を伝えてから理由を添えられます。事情をすべて詳しく話さなければ断れないわけではありません。

土曜日の都合と、席の予約

公開アーカイブの週末の展覧会の場面にも、土曜日は難しいけれど日曜日は空いているという返事があります。ここで「一緒に出掛けたくない」と読んでしまうと、話し手が自分で示した代案を消してしまいます。

別の予約人数の場面では、参加を確約しない一方で、席は取らなくてよいと伝えています。参加するかに不明な点が残っていても、予約する人の行動については情報を渡しています。会話の疑問をすべて解消してからでないと、次に進めないわけではありません。

訳にも空白を残す

二つ目の創作例を「土曜日は絶対にやりません」に当たる表現で訳すと、原文より断定が強くなります。逆に「土曜日で大丈夫です」では、ためらいが消えます。この例の韓国語訳と英語訳も、言いかけたところで止めました。確認が必要な状態を、読者にも残すためです。

三点リーダーを見るたびに同じ隠れた文を当てはめるより、書かれていることだけで何を決められるかを見てみてください。日曜日という代案のある返事と、代案のない返事。長さは似ていても、受け取れる情報は違います。

参考資料

  1. 研究室から:『言語行動における「配慮」の諸相』について — 国立国語研究所 ことば研究館 · 2006-04-01 · 確認日:
  2. 暮らしの中の「あいまいな表現」 解説書 — 国立国語研究所 · 2005-03 · 確認日:
この記事の変更履歴
  • — 資料の確認範囲、創作例の表示、断りや約束の範囲、三言語の訳を照合しました。