「考えときます」のあと、何を待つ?

検討すると言われても、その先の予定が決まりません。論文と京都市の対談に出てくる断りの例を読み、創作した二つの返事で、確認する対象・返事の期限・次の行動を比べます。公開問題の旅行への不参加と席の予約も手掛かりに、相手の決定と自分の作業を分けて考えます。

執筆 KYOTOEIC公開日 更新日 3 分で読めます

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目次

待つ理由が書いてある返事

催しに使う部屋を貸してほしいと頼みました。返事は「考えときます」。これを聞いて、別の部屋を探すのをやめてもよいでしょうか。

この記事のために作った、二つの返事を比べます。

考えときます。

もう一つの返事には、確認する作業と期限が付きます。

考えときます。部屋の空きを確認して、金曜までに返事します。

二つ目には、待つ理由が書いてあります。部屋の空きを調べるという作業と、返事をする期限です。ただし、部屋を貸すと承諾したわけではありません。金曜日に断りの返事が来る可能性もあります。一つ目からは、その作業と期限も分かりません。

断りの例として紹介される言葉

角岡賢一の2024年の論文「京ことばと船場ことば」は、大淵幸治の本を論じる箇所で、この表現を間接的な断りの例として説明しています。検討するという言葉を額面通りに受け取ることへの注意を促す例です。ただし、住民の返事を集めて断りの割合を算出した調査結果ではありません。

京都市が公開する対談の字幕でも、松井孝治は自分が経験した婉曲な断りとしてこの言葉を挙げます。続いて井上章一は、似た表現を京都の人だけに限るべきではないと話します。同じ対談の中でも、例の解釈と地域全体への一般化を分けて読む余地があります。

これらの資料から、検討すると言うことで断りを伝える場合があるのは理解できます。しかし、冒頭の返事を両方とも「貸せません」に置き換えると、二つ目の人が約束した確認と返事まで消してしまいます。

予約する人に必要な返事

部屋を予約したいなら、いつまで待つのかと、何を知りたいのかを一緒に尋ねてみてはどうでしょう。例えば「金曜日まで待てばよいでしょうか。そのとき、部屋を使えるかどうかも教えてください」と聞けます。準備を急いでいるなら、別の部屋も並行して探すと添えることもできます。

公開アーカイブの旅行への参加を答える場面では、お礼のあとに今回は参加しないと伝えています。感謝があるから承諾だと読まないのは、参加の可否が別に示されているからです。

席を取らなくてよいと答える場面は別の形です。参加の可能性は残しながら、席を確保しなくてよいと伝えます。幹事は、その情報だけでも今の作業を決められます。不参加だと確定することと、予約席を取らないことは同じ判断ではありません。

訳から期限を消すと

冒頭の創作例は、韓国語版では「생각해 볼게요」、英語版では「I'll think about it」から始めています。部屋の確認と金曜日という期限も残しました。日本語の雰囲気を出そうとして返事全体を「たぶん無理です」に相当する表現へ変えたら、まだしていない決定を訳す側が代わりに下してしまいます。

返事が曖昧に感じられたら、今は何を待っているのかを書き出してみてください。決定なのか、予定の確認なのか、それとも次の返事をもらう約束もないのか。この違いが分かれば、待つ側も自分の予定を組みやすくなります。

参考資料

  1. 京ことばと船場ことば — 龍谷大学 龍谷紀要46巻1号 · 2024-10 · 確認日:
  2. ホンマは京都が好きなくせに 動画字幕 — 京都市 · 確認日:
この記事の変更履歴
  • — 創作の返事の表示を短くし、部屋の予約に必要な確認を提案として書き直しました。資料の例と統計の区別を保ち、Codex (AI) が三言語を照合しました。
  • — 資料の確認範囲、創作例の表示、承諾・断り・返事・約束の違いと三言語の訳を照合しました。